年配者の娯楽と思われていた囲碁。
それが1998年から2003年まで週刊少年ジャンプで連載された
マンガ「ヒカルの碁」のヒットで、小中学生の間で囲碁ブームがおき ました。
そして今、20代〜30代の女性の間で碁を楽しむ人が増え、
“囲碁ガール”という言葉まで誕生しました。
東京・麹町のオフィス街にある「ダイヤモンド囲碁サロン」では、
バーカウンターに生ビールサーバーも設置され、
お酒を飲みながら碁を打つことができます。
毎週水曜日と金曜日の夜は深夜まで営業し、
初心者の人には入門レッスンを行なってくれます。
このサロンは、父親がプロ棋士の白江徹一社長が2001年に
「囲碁による出会いの場を…」と開設。
2006年に現在の場所に移転し、この2〜3年で女性客が3倍以上に増えたそうです。
名古屋市中区にあるカフェ「KOSUMI(コスミ)」は、
月曜日と火曜日は飲食のみの営業ですが、
それ以外の日の午後は1人につき500円〜700円の席料で碁が打てます。
このカフェは、囲碁ファンの篠田裕二さんが2006年に、
囲碁を気軽に楽しめる場所を作りたいとオープンしました。
毎月、女性ばかりの囲碁会や男女のペア大会などを開催し、
開店時にはほとんどいなかった女性の姿が最近は増え、
お客様の半数を占める日もあるそうです。
最近、囲碁の普及団体が開催するワークショップでは参加者の7割、
入門者のほぼ9割を20代〜30代の女性が占めるようになってきています。
では、なぜこれほどまでに“囲碁ガール”が増えてきているのでしょうか?
囲碁愛好者は50代〜60代の男性がほとんどで、マンガ「ヒカルの碁」の影響で、
10代も多少増えましたが、20代〜30代はゼロに近いほど少ない状況でした。
この現状を打開すべく、囲碁会のマドンナ吉原由香里五段(旧姓 梅沢)が
仲間2人と発足した小さな会が前身となり、現在「IGO AMIGO(囲碁アミーゴ)」
という非営利のボランティア団体の活動を2006年4月に正式にスタートさせました。
若者への囲碁普及を目的に活動する「IGO AMIGO」は、
入門者から級位者を対象にした月2回のワークショップをベースに、
2007年からは年1回の囲碁の祭典「囲碁フェスティバル」などの
スペシャルイベントも開催し、囲碁の魅力と楽しさを若者たちに伝えています。
さらに魅力を伝えるために囲碁のフリーマガシン「碁的」を2008年10月に創刊し、
2010年9月に発行した「碁的 3号」で碁へのイメージを一変させ、
これまで関心が湧かなかった若い女性に囲碁を注目させることに成功しました。
フリーマガジン「碁的」は最初、囲碁フェスティバルを紹介する広報媒体の位置づけ
でしたが、3号からは女性の感覚になじむように、囲碁マガジンの常識を破って、
ファッション誌のような内容とデザインにしました。
囲碁界のアイドル万波佳奈・奈穂 姉妹が、長い巻髪のウィッグをつけ、
モデル風メイクで変身し、碁的の3号・4号の表紙を飾りました。
記事の見出しは、
「2010年新常識 囲碁打つ男はイケている」
「囲碁打つ娘ってどんなコ?」
「頭の中から美しく!女子力↑UP戦術」
「きれいを『増やす』囲碁とマネー術」
「わたし、狙っちゃってもいいですか?囲碁メン、恋の徹底攻略」
「夏を先取り 碁盤に映える 囲碁ネイル」
など。
強くなるノウハウよりも、生活の中で囲碁を取り入れることの楽しさや
等身大のストーリーを女性目線でアピールしたことが
若い女性に囲碁へ関心を持ってもらうことにつながりました。
特に若い女性にとって、囲碁とは「おじいちゃんの趣味」と思われる世界。
そのような世界でも“囲碁ガール”と呼ばれる人を急増させるたポイントは、
囲碁そのモノや、強くなるノウハウではなく、生活の中に取り入れることで、
どんな楽しさやプラスになることがあるのか?
と、アピールや紹介内容の切り口を変化させたことです。
囲碁をする女性が増えてきたという事実が、女性を惹きつけるには、
モノ中心発想や勝ち負けにこだわることではなく、核にあるのは、
私の生活を良くしたい!楽しくしたい!ということだと
あらためて気づかせてくれました。
最近は打つこともなくすっかり離れてしまったのですが、
以前は級位を取るほど囲碁にはまったことを思い出し、また打ちたくなりました。
みなさんも碁を打ってみませんか?
【参考】
◆「碁的」サイト http://goteki.jp/index.html
(有)トレンドナビ 清水 惠子
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