いまは無き新岐阜百貨店の屋上には、小さな遊園地がありました。
小さい頃のわたしにとってその場所は、とてもと〜っても楽しいパラダイスのような場所でした。
その頃の楽しい場所!という強烈な思いによって百貨店の魅力が減少し、各地方では閉鎖されるという状況となったいまでも
「百貨店=楽しい!⇒大好き!」
という図式が消えることはありません。
都会に数多くある百貨店と比べると、商品構成・接客、その他のサービスなどかなり見劣りする部分がありますが、それでもやっぱり地元の百貨店が好き!なのです。
それは小さい頃の影響が大きいからでしょう。
マクドナルドは、15歳までに憶えた味覚は忘れないため、どんなに年を重ねても必ず、リピーターとして食べてくれる。
だから15歳以下の子供たちに焦点をあわせています。と言っていたことと共通するところがあります。
むかし百貨店にあった小さな遊園地や動物の乗り物、ペットショップというのは、現在では郊外型のショッピングモールや大型量販店にあります。
ショッピングモールや量販店で楽しい思い出のある子どもたちは、きっと多いでしょう。
その子どもたちが大きくなったら「ショッピングモール好き!」「量販店好き!」となり、お買い物をしてくれるような気がします。
猛烈な勢いで変化する世の中、昨日まで流行っていた物が、今日には見向きもされない・・・なんていうことはしょっちゅう起こっています。
なんと移り気な消費者たち。。。
このような変化に対応し続けるなんて至難のワザです。
でも、どんなにまわりが変化しても簡単には変化しないものもあります。
その一つが、子どもの頃の体験にもとづいた感動ではないでしょうか。
まさに三つ子の魂百までも、です。
目先のことも大事ですが、長期発想で、顧客づくりを考えることも大切なこと。
その発想があるのが、6月1日にオープンした伊勢丹 新宿本店の屋上庭園「アイ・ガーデン」です。
総工事費 約2億5000万円をかけて伊勢丹の屋上、ほぼ全体の約2050uの面積を緑化。
遊具は端っこのほうに、小さな滑り台が3つだけ。
中央は大きな芝地になっており、あとは草花や木が植えられています。
草花や木にはネームプレートが付いており、携帯情報端末「ユビキタス・コミュニケーター」を近づけると、付近の草花、木の解説を文字や音声で伝えてくれます。
「約3000万人の来店客に、付加価値として単に自然環境を用意するだけでなく、学びにつなげる仕組みを作ろうと考えた。」と伊勢丹の武藤信一
社長は話しています。
そこで・・・、8月31日、金曜日の午後1時30分すぎに行ってみると中央の芝生にヨチヨチ歩きから幼稚園前くらいの子どもたち15人位が、ほとんど裸足で元気よく駆け回っていました。
いまの子どもたちにとって、遊具で遊ぶことは日常的にできますが、さまざまな場所が危険である現在では、裸足で駆け回ることは危なくてできません。
しかし、ここでは屋上の出入り口に監視員もいて、安全にそれができます。
それがめちゃくちゃ楽しいのでしょう。
子どもたちのはじけるような笑顔が印象的でした。
それぞれの地域の環境から、子どもたちが楽しい!と感じてくれること、親が安心して子どもと過ごせること!を念頭において「屋上」作りをすれば、子どもたちは将来にわたって百貨店に好印象を持ちます。
そんな絶好の場所を見逃す手はない!と思うのですが、いかがでしょうか。
(有)トレンドナビ 清水 惠子