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「盆栽ブーム」


日本盆栽作家協会会長の山田登美雄さんによると、盆栽の「盆」は鉢、「栽」は鉢の中で育てられる植物を意味するそうです。起源は、平安時代に遣唐使が持ち帰った「盆景」という説がありますが、植物全体の姿に風土や自然観を見いだして姿を整える技法は日本独自のものです。


そんな盆栽が今、若者や女性の間で人気となっています。

といっても昔ながらの高価な盆栽とは違うミニ盆栽や山草花の盆栽のことです。

サクラ、クロマツ、カエデ、モモ等さまざまなミニ盆栽が並んでいるのを見ながらお酒を飲んだりする盆栽バーなんていうものも登場して、穏やかな雰囲気をかもし出す盆栽の魅力にハマる人が急増中です。


ミニ盆栽の売れ行きはここ数年右肩上がり状態。ただし、盆栽は野菜や魚のような公の市場がないため、相対売買がほとんどで取引の全体像は分からないのですが・・・。

でも、デパートの展示即売会ではここ5年で2倍、インターネット通販では10年で3倍、業者によってはここ10年で出荷数が数十倍か、それ以上になったところもあるほどの人気ぶりです。


千葉市の盆栽店では今年のバレンタインデーに約400鉢、ホワイトデーには約700鉢の注文があり、贈り物にする人も増えています。

盆栽業者が集まる、さいたま北区盆栽町にある創業170年の清香園の盆栽教室は、市内だけでなく東京や長野からも受講者が駆けつけ、若者や女性でにぎわっています。

盆栽教室のスタートは99年9月で、受講者は10人ほどでしたが、いまは市内だけでも約250人。週1回だけではさばききれず週に3、4回開いています。教室は大阪や広島にもあり、今年の2月からは通信講座もスタートしました。


盆栽はお年寄りの趣味だと思っていたのですが、何故これほどまでに若者や女性をひきつけるのでしょうか。

昔は、近所に住むお年寄りが盆栽をめでたり、手入れをしたり、熱く語ったりする光景は日常的に見ることができたので、盆栽=お年寄り、という図式がみんなの頭の中にインプットされていました。

しかし最近では、盆栽を趣味としているお年寄りをほとんど見ることがないので、今の若者たちには、盆栽=お年寄り、というイメージが薄い。
そこに盆栽の概念を壊した初心者でも分かりやすい入門的なミニ盆栽が登場し、新しいイメージで受け入れられたのではないでしょうか。


忘れ去られそうな伝統的なものを、若者に知ってもらい、ブームをおこすには、伝統的なものの本質的な概念を一度壊し、改めて創造することがなにより必要だということなのでしょう。

それは、昔からあるもの、伝統的なものを海外の人にどのように伝えれば、本来の魅力が伝わるか、を考えることと同じことです。


従来のものを新たにブームにするキーワードは、意外にも「言語・文化の違う海外の人に伝えることを考える=日本の若者に伝わる」というところにあるのかもしれません。



(参考:2006.3.18朝日新聞)


(有)トレンドナビ   清水 惠子


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